2009年10月15日
脳天気店主なワタクシですが、本業(?笑)は長男の嫁だったりします。
で、茶華道教授をしている義母さんと同居などもしています^^;
「嫁」が務まっているかどうかは…突っ込まないことっ!汗笑
その義母さんの40年来のお社中さんが体調不良を理由にお稽古を辞められることになり、自宅でそのお社中さんのために近しい方を集めてささやかなお茶会を開くことになりました。
年相応なペースですが、80歳過ぎても達者にお稽古を続けている義母。
自分よりも若いお社中がこんな形でお稽古を辞めてしまうのに、とても心痛めていて。
出心尽くしの事をして想い出に残るお茶会をしてあげたいと、義母の希望。
「ちょっと贅沢やけど…辻留に来てもらってご飯作ってもらいたいねんけどねぇ。。」と。
嫁のワタクシ、即答。
「やりましょう。」
「辻留」というのは、京都・三条大橋の懐石料理屋さんです。
詳しくは
こちらをご覧になって下さいね。
東京店もあり、そちらでは普通の料理屋さんのようにお席があってお食事が出来るのですが、京都の本店は客席を持たない出張料理専門店です。
本来は我が家の様な庶民には縁のない料理屋さんなんですが・汗笑、昨年義母の祝い事のお披露目茶会の際に辻留さんにお世話になっていましたので、今回も厚かましくお願いしてしまいました。
お客様は義母を含めて9名。
本格的なお茶事ではないので懐石料理ではなくて。
お茶会に頂く軽い食事・お点心ということで、箱膳(松花堂弁当)をお願いしました。

今回も昨年と同じくKさんとお若い方(お名前聞きそびれてしまいましたm(_ _)m)の2人が来て下さり、テキパキと手際よくお膳を仕上げてくださって。
プロの仕事って本当にキレイですよね・惚れ惚れ。
どんな事も当たり前のようにさらりとこなしてしまうというのでしょうか。。
嫁のワタクシはお台所とお席の取り次ぎ係ということで裏方だった(当然、お膳はナシ・涙 タイトルの主語は「お客様」笑)のですが、間近でこの一流のお仕事ぶりを見られたことは、何にも代え難いぐらい素晴らしいご馳走だったと思います・大いに自慢・笑。
特に今回は、お釜を用いて松茸ご飯を炊いてくださったんです!
テレビなどでは見たことあったのですが、「生釜炊き飯」(笑)を見たのは生まれて初めて。
炊きあがったご飯の蓋を取る瞬間を横で覗かせてもらったのですが、もう、そりゃ言葉にならないくらい幸せな瞬間♪
蓋を取るとふわっと香ばしい香りとホカホカの湯気が立ち上り…
湯気の向こうに優しく色付いたご飯を覆うようにたっぷりの松茸が乗っかっているのが見えた時の至福感。。
お米で育ったDNAが震えるように喜んでいるような最高に幸せな空腹とでも言うのでしょうか。。

他にも、お刺身を切る美しい手さばき、手早くありながらも均整の取れた盛り付け、お料理を盛る食器の美しさ…どれもこれも書き尽くせないぐらい、見るもの全てが嬉しくて楽しくて、幸せで^^
毎度大袈裟なワタクシですが・笑、見聞きするモノに心揺り動かされる事はとても大切な事。
嬉しいことを目一杯喜び、楽しいことを目一杯楽しむ…とても素敵な事だと思いませんか?^^
良き嫁」としては控えめに大人しくしているべきなんですが、滅多にない(もしくはもう二度とない・笑)機会なので、お運びやカメラマンなどワタクシの仕事の合間を縫って、あれこれと興味の赴くままに辻留さん達の仕事ぶりを覗き込み、色々とお話しを伺って、慌ただしくも楽しいひとときを過ごさせて頂きました。
超一流の料理屋さん。。。
特に京都の一流店といえば色々と暗黙のお約束事などがあって、お客にもそれなりの心構えが必要、、などと言われていますよね。
こういう出張料理に来て頂くのに心得のない我が家でしたので、ものすごく気後れしていたのですが。
特に昨年初めて自宅に来て頂いたときには、もう数日前から緊張していてロクに眠れなかったぐらいですて・汗笑。
でも、お味が一流なだけでなく、心配りも一流^^
手際の悪いワタクシなんですが、始終腰を低く丁寧に対応して下さり、モジモジとした気後れをあっさり吹き飛ばして下さって^^
せっかくなのでお席に顔を出して頂いてお料理の説明などを、、と厚かましいお願いをしたのですが、「はい!」と気持ち良く引き受けて下さりました♪
美味しいお料理を目の前にして、作って下さった方のお話しを聞かせてもらえると、さらに美味しさが増しますよね。
お客様達がどれほど喜ばれたことでしょうか。
余った松茸ご飯で小さなおにぎりを握って下さったり、残ったお料理をさりげなくお皿に盛って置いていって下さったり。
食事が終わった後、お客様達はお席を改めてお炭・濃茶とお茶会は続いているのですが、辻留さん達はその間ひとときも手を手を止める事なく淡々と片付けをこなしていて、これまた本当に気持ち良くて。。
「それが当たり前」と言ってしまうとそうなのかも知れませんが、全ての物事を当たり前の様にこともなげにこなして行く事の大変さ・ものすごさを知っているワタクシにとっては、ただただ感心するばかりで。。
来たときと変わらぬよう元通りに片付けて、続くお茶会の邪魔をしないように静かに帰って行かれました。。
お見送りした後、家の中に入ったのですが…
何事も無かったかの様にいつも通りの台所。
ついさっきまであの辻留さん達がお料理が作られていたなんて夢の様な気がして。
でも、テーブルの上には、一口サイズの可愛いおにぎりが10個ほど盛られた白いお皿が置かれていて、、やぱり夢じゃ無かったんだよな、と・笑。
ちょっと府抜けて、しばらく椅子に座り込んでぼんやりしていたのですが、
そうそう♪と、おにぎりに手を伸ばしたワタクシ。
ラップを外すと、ほわぁ~んと松茸の香りが漂ってきて、思わず口元がほころんで。
可愛いおにぎりをそっと半分に割って、一口…
しっかりしてるけど上品な味で、もっちりとしたご飯は噛めば噛むほど味わいが増して。
お皿に並んだおにぎりをじぃ~っと見つめながら味わうひとくち、ひとくち。
「美味しぃ。。。」
時折、座敷の方から義母さんやお社中さん達の和やかな笑い声が聞こえてきて、お席はまだ続いていて。
「次の段取りを考えなくちゃ」と、残りのおにぎりを口の中に放り込んだら、何故だかホロッと泣けてしましました。
「美味しい」って、とてもすごいコトです。。
3時を過ぎた頃、和やかにお開きとなりました。
どのお客様も、このお茶会を喜んで楽しんでくださったご様子。
特に、辻留さんのお食事は何よりのおもてなしだったと皆さん満面の笑顔でおっしゃってくださって。
それに応える義母さんの晴れやかな笑顔。
ワタクシも、とても嬉しくて^^
正式なお膳は頂けなかったワタクシですが、置いていって下さった幾つかのお料理と、不意のお客様に備えて取っていたお弁当(結局不意のお客様は無かったのでまるまる3つ♪)とで、その夜の我が家の晩ご飯は、ものすごく幸せなひとときでした^^
頂いたお料理は、向付のむろアジのお刺身と、お刺身に付けるお醤油。
椀物の松茸と葛引き鱧、柚添え。
松茸おこわ。

お弁当は、これまた色々入っていて♪
特別奇をてらったのでは無いのですが、どのお料理も一口頂くとそのどれもが格別な美味しさ。
味覚に正直な子供達こそそんな美味しさに敏感で、日頃ワタクシが作った和食系のおかずは無理強いでなければ手を付けないのに、下の子は「これ、ぅんまいなぁっ!」「ん~っ♪」と叫びながら、上の子は無言でにぃ~っと微笑みながら、バクバク食べてましたて・笑。
個々のお料理のお味の感想は…
美味しすぎて、書ききれません・笑。。
というか、あの小さなおにぎりの「美味しい」が全て^^
蛇足。。
お茶会の日取りが決まった時点で、お料理やお菓子、その他の手配をすること。
10日ほど前から、ぼつぼつと掃除や片付けをすること。
2日前は道具出し。
前日はお席を整えて。
当日ドタバタと本番を迎え、お客様が帰った後はすぐに道具の手入れと片付け。
茶碗など水に触れたものは1週間ほど風を通すので、しばらくお茶会の余韻は続きます。
嫁のワタクシの仕事はざっとこんなモンですが、亭主の義母はお客様と茶会前後のご挨拶など手紙や電話でしますし、細々したコト山盛り^^;
おもてなしのお茶会を開くことは決して楽なコトではないですが、でも、ワタクシはそんな一日を持てることが大好きです。